“大間 九郎” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:大間 九郎 (12 件 / 2 ページ)

オカルトリック 02

 

元狐憑きの探偵助手・玉藻と、超絶美女の引きこもり探偵・ねえさん、向上心溢れるメンヘラ・イソラちゃん(キーワードは女子力! )。ギリギリのバランスを保っていた三角関係は、意識不明だったイソラの姉・舞花の目覚めと共に、次のステージに移行する――過剰で真摯な愛情が織りなす、混沌とした関係はどこへ向かうのか!? オカルト? マジック? ファンタジー? 夢と現実と過去が絡み合う、未だかつてない物語をご堪能あれ!

個人的お気に入り度数

宝島社様より献本をいただきました!

 狐憑きの探偵助手・玉藻と引きこもりのオカルト探偵のねえさんと、最強メンヘラ・イソラたんが繰り広げる物語。

 なんか最初から最後までどこまでもイソラたんのメンヘラキ女っぷりに振り回され、そして圧倒された感が強いんだけど同じくらいねえさんの過去から現在に繋がるまでの物語の破壊力も凄かった。イソラの妄執ともいえる強く凶悪な愛と、どんな酷い目に遭っても手放せなかったヒトカケラを一身に注ぐねえさんの愛と、全てを知り、そしてその上で受け止めようとする玉藻の愛と。うまく言葉にできないけど、3人の綴ろうとする「愛」があまりにも強烈で。それぞれの「幸福」を追い求める3人の繰り広げる、文字通りの「愛」の物語に圧倒された。

 ラストがまた、終わってみるとここ以外に落としようが無いって思うくらい絶妙な所に落とされてて。確かに、この3人がそれぞれの形で「幸福」になるにはこの形しかないよなあ。イソラとねえさんが本当に幸せなのかどうかはわからないけど、そうなってると信じたい。だって、これは3人の「愛」の物語であると同時に「幸福」の物語でもあったんじゃないかなと思うのです。

 ほんと、面白かった。次回作も楽しみにしてます。
 玉藻のメイド服姿に挿絵がなかったのだけが心残りです。


オカルトリック

 

狐憑きの少年・玉藻と、超絶美女でヒッキーな探偵・ねえさんの、奇妙でふざけた、そして真摯なオカルト事件簿。自然発火、物の怪憑き、チュパカブラ……次々に起こる事件を通して描き出されるものは何か? オカルト×トリック×カラクリ=人間の幸福って、どんな物語だよ! 第1回『このライトノベルがすごい! 』大賞・栗山千明賞受賞の衝撃作『ファンダ・メンダ・マウス』の大間九郎の新シリーズ開幕です!!

個人的お気に入り度数

宝島社様より献本をいただきました!

 人として割と駄目な感じの安楽椅子系オカルト探偵・「ねえさん」こと葛乃葉さんと、彼女の助手として働く狐憑きの少年・玉藻が繰り広げるオカルト系ミステリー。

 独特のファンキーな文体で繰り広げられる物語が相変わらずみんないい具合に歪んでてとても楽しいんだけど、何より玉藻の過去話から透けて見える、ねえさんと玉藻の共依存関係がたまらなくおいしい。自ら消えたいと願った少年と、その少年を護ろうと必死になった“狐”の奇妙な関係。ねえさんが玉藻に執着し依存する理由と、『玉藻を幸せにしたい』という強固な思いに胸が熱くなる。あと253Pの取調べシーンがエロいと思ったのは私だけでいいです童貞非処女主人公とか……胸が熱くなるな!!!(ほも的な意味で)

 しかし葛乃葉と玉藻のどこかいびつで歪んだ共依存関係ばかりに目を向けていたら最後で一気に一般人(?)代表のイソラたんに色々持っていかれた!「ファンダ・メンダ・マウス」のマコチンほどじゃないにせよ一応の常識人ポジションだとおもったら……まぁ!いろんな意味で一筋縄ではいかなそうな鮮赤の三角関係がなんか透けて見えて怖いよ!!続編があったらマジ流血の大惨事になりそうですイソラたんYABAI。

 最後のイソラたんもYABAIけど同じくらい作者あとがきがYABAI。


ファンダ・メンダ・マウス 2 トラディショナルガール・トラディショナルナイト

 

一見、落ち着きを取り戻したマウスの日常だったが、今度は美月にトラブル発生! 父・豊島郁夫の死体と10キロのヘロインを押しつけられた美月。自らの命の対価としてヘロイン売買に巻き込まれていく。欲望渦巻く横浜ダークサイドは弾丸乱れ飛ぶ超危険地帯に。命を危険にさらしながら、事態の終結を急ぐマウスだが、その背景にはマウスの第3婦人キンバの意外な思惑が……。第1回『このラノ大賞』栗山千明賞・待望の第2弾です。

個人的お気に入り度数

宝島社様より献本をいただきました!
前巻の最後で父親のロンから唐突に金髪碧眼の許嫁・キンバを押しつけられてしまったマウス。ところが彼女の実家からロンに貢がれたヘロイン10kgが行方不明になり、マウスはキンバの兄からヘロインの行方を追うよう頼まれる。同時刻、美月はそのヘロインの運び屋をやらされていて……というお話。

1巻から変わらず、良い歪みっぷり。マウスがやってることは一見“正義のヒーロー”ですらあるのにどうしようもなく歪んで狂ってるようにしか見えないのは一種の才能だとおもう。敵に差し伸べられる好意の手が、こんなにも歪んで見えるとは思わなかった。

そんなマウスに惹かれ、奴隷のように彼の為に動く人々(一部人じゃない)と香港マフィアの抗争が絡み合って織りなす複雑な物語の真相が少しずつ解かれていく様は圧巻でした。みんな歪んでるけど滅茶苦茶かっこいいから困る。特にミチルちゃんとマウスのクライマックス目前の会話やばい。ミチルちゃんまじ名脇役!!そしてくそったれがマジ淫獣としてレベル上げすぎでやばい。ていうか機械なのにテンション上げすぎですからーーー!?

1巻がかなり綺麗に終わっていたのでどう続けるのかと思っていたけど、なんかこれは3巻以降もありそうな勢いだなあ。というか完結までにマウスの「夫人」が何人にまで増殖するのかが大変楽しみです。

……唯一の常識人っぽい美月ちゃんがんばれ超がんばれ…


ファンダ・メンダ・マウス

 

おれはマウス。しみったれた倉庫でくそったれな監視システム相手に終日ダラ?っとすごす。家に帰ればネーネがべったり張りつく、そんな毎日。でも、おれは今の自分にかなり満足。人生がこれ以上でもこれ以下でも今いる自分になれないのならそんな物は願い下げだと、心の底から思っている。いい女はべらして万ケンシャンパンドンペリジャンジャンBMベンツにPMゲッツーみたいなことが必要だとは思わない――のに!「嫁に!」とか言い出すジャリ娘の登場から怒涛の急展開だよ!!独特で中毒性の高い文体、鳥肌ものの展開。全選考過程で物議を醸した作品が登場!

個人的お気に入り度数

宝島社様より献本をいただきました!
これはなんというか、文字通りの「怪作」。

「マウス」を自称する主人公が高校時代の恩師の娘を救う為、様々な伝手を使いながら横浜港を奔走するお話……なんだけど、読み始めて10Pもいかないうちに、主人公の装飾過剰気味な一人称文体に耐えかねて投げ出しそうになった。ほんとうに、目が滑って仕方なかった……

このままずっとこの文体が続くなら最後まで読みきれないかも……と思っていたんだけど、少しずつ他のキャラクターが出てくるたびに、不思議と読みやすくなっていく。分かり辛かった物語が段々はっきりと、クリアになっていく。正直序盤と終盤では文章を書きなれてきて読みやすくなったという印象もあったんだけど、それだけじゃなかったとおもう。少しずつ物語の全体像が見えてきて、面白くなっていって、少しずつ目が離せなくなって来る。特に、マウスの独白だけでは中々見えてこなかった彼の不器用な愛情・歪んだ優しさが、彼の居ない所で、他のキャラクターの目線を通すことで段々と見えてくるのが良かった。なんて懐の広い男なんだ、マウス。

そして最後の展開は、信じられないほどに熱い。最初に読み始めたときに感じた斜に構えたイメージからは想像も付かないような終着点に、ワクワクした。

とりあえず、この物語を手に取った人は決して最初で挫折しないように。最初10P、20Pのところでやめてしまうのは勿体無いです。1冊全部、とは言わないけどせめて2?3キャラ出てくるところまで頑張って欲しい。ほんと、途中で印象変わるから。



テンション上がってしまったので追記。

何気にこの「ファンダメンダ」、良い男子萌え作品だと思うんです。
ホモとかオカマとかそういう過剰装飾を排除してよく見るとなんだかんだで良い「親友」なマウス&ミチルとか。ネーネを挟んだ奇妙な三角関係を築きながらもなんだかんだで共闘していく「悪友」関係なマウス&ぴがろとか、大変美味しいと思うのです。特にミチルちゃんの過去話とクライマックスでのぴがろとマウスの信頼具合はやばかった。

……何がいいたいかというととりあえず誰か腐女子属性の人はこれを読んで私と男子萌えを語れ。


2012年に面白かったライトノベル10選

 あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。

 新年の恒例行事ですが2012年に読んだライトノベルから面白かったものをカテゴリごとに10作品にまとめてみました。腐女子に特にオススメしたい編と2作に分けた時期もありましたが、なんか実際まとめようとしたところ普通に全作品女子にお勧めしたかったという現実が発覚してしまったのでやめました。全部女子にも読んで欲しいです読 ん で く だ さ い。

 件数を絞った関係で毎年しつこく推してる感のあるシリーズは除外しましたがそちらは年度関わらず常にお勧め&読んでくれるかたを随時募集しておりますので宜しくお願いします。バカテスとか生徒会の一存とか死神姫の求婚は流石にしつこいとおもったので!でも好きなので!!!よろしくおねがいします!!

 なお、書影は私が読んだところまでなので実際はもっと先まで巻数が出ている可能性があります。

この友情に萌えた!編


大樹 連司「ボンクラーズ、ドントクライ」(⇒感想
そんな彼を裏切る算段を僕は立てている。たかが、桐香なんて存在のために。
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 最初は片田舎の男子高校生2人の『ごっこ遊び』でしかなかった特撮映画制作。それは都会からやってきた少女の加入により現実味を帯びたものとなっていく。完成に近づいていく映画とともに、主人公は掛け替えのない相棒との『友情』と恋した少女への『恋慕』の間で揺れ動くことになる。
 ゆっくりとした時の流れる田舎での文化系部活動を中心に据えた主人公達3人の青春具合も大変良かったのですが、やはり友情と恋愛の間で揺れ動く主人公の葛藤が大変たまりませんでした。

野村 美月「ヒカルが地球にいたころ…」(⇒1巻感想 / 2巻感想
「もし、ぼくが殺されたって言ったら、きみはぼくを殺した犯人をつかまえてくれる?」
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 見た目の怖さから周囲に敬遠されている是光に声をかけてきた学園一のモテ男・ヒカル。「頼みごとがある」という彼は、肝心の頼みごとを口にする事なく事故で亡くなった。彼の葬式に出向いた是光の元にヒカルの幽霊が現れて……。
 殆ど他人といってもいいヒカルからの『たのみごと』を、取り憑かれているとはいえ親身になって解決しようとする是光の不器用な優しさと、是光をヒーローと仰ぎ、自分にはないなにかを見出して憧憬するヒカルの関係性がたまらない。ツンデレヒロインの式部さんもめちゃくちゃ可愛いのですが、生前は全く別の人生を歩みながらそれぞれの理由で友達というものがまるで出来なかった二人の友人関係にときめきがとまりません。ヒカルの死に関する謎も提示され、今後が楽しみなシリーズ。
 ……今年こそ最新刊までおいつきたいです。

裕時 悠示「踊る星降るレネシクル」(⇒感想:1巻 / 2巻 / 3巻 / 4巻
「バカ野郎。カッコつけんじゃねえよ」「いいじゃないか。これが俺の愛さ」
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 とある理由から戦う事を避けている主人公・レンヤが、幼馴染を追いかけてやってきたミカホシ学園。そこは個性が生み出す異能力を持って戦う“ミカホシランキング”で全てが決まる学校だった。“御三家”のみそっかす娘・すまるになつかれ、彼女の師匠となったレンヤだが……?
 個人的には「俺修羅」よりはこっちのほうが好きだ…。典型的な現代を舞台にした異能バトルモノなんだけど、ひきこもりでも極めれば強い!みたいなバラエティ豊かな異能力と、割と王道ド真ん中なアツい展開が楽しくてたまらない。レンヤを巡る三角関係+αなドタバタも楽しい。そして“愛”することで異能を発揮する(=自らの愛情が能力に起因するものか本当のものかが分からない)、すまるの幼馴染で主人公の友人の乾闇鳴の設定が美味しくてたまりませんでした。4巻は大変良い親友回でありました……裕時先生、俺修羅もいいけどこっちの5巻も早めにお願いします(切実)

この関係性に萌えた!編


夕鷺 かのう「(仮)花嫁のやんごとなき事情」(⇒1巻感想 / 2巻感想
「みなさま、ご機嫌麗しゅう。……夫を返してもらいにまいりましたわ」
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 顔がそっくりな自国の王女・シレイネの身代わりとして隣国の「毒龍公クロウ」に嫁いだ庶民の娘・フェル。上手い事仲をこじらせて離婚してしまえば一攫千金!と美味しいバイトだと思っていたのに事態は思わぬ方向にばかり転がっていく。フェルは無事に期間内に離婚できるのか!?
 悪い噂ばかりが先にたつ王族の元に政略結婚で嫁いで云々というある意味少女小説では王道な展開なんだけど、どう考えてもお互いに悪くは思ってないはずなのに、素直に好意を表現出来ず独占欲ばかりが先走るクロウの不器用なドSっぷりと、恋愛感情に疎くてクロウの行動に振り回されながら時折ぽろっとむきだしの好意がぽろっと顔をだすフェルの関係がおいしすぎてもうわたしは。そしてフェルがいちいち男前すぎていくら床ローリングしてもたりない。フェルの母国にも色々と裏がありそうでそちらの展開も楽しみなんだけど、とりあえず壁ドンは正義。

榎宮 祐「ノーゲーム・ノーライフ」(⇒1巻感想 / 2巻感想
「だから俺は、『人類』を信じない」「だがその『可能性』を信じる」
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 2人で1人の無敵の凄腕ゲーマー兄妹“空白”。天才故に人間社会に馴染めず、引きこもりになっていた2人はある日、ゲームの勝敗で全てが決まる異世界に召喚される。16種族で国取りゲームをするその世界で、ゲームから脱落寸前の“最弱”人類種の王となった2人は異種族達への侵略を開始する。
 人の機微と人心を掴む事に長けた兄の空と、幼くして過ぎるほどの豊富な知識を持ち冷静な判断力で物事を見据える妹の白。紛うことなく“天才”であるがゆえに2人揃えば最強であり、同時に2人でなくては何も出来ない(まともな生活すら送れない)という共依存具合が大変美味しい。……のですが、2人にゲームでまけて“空に恋する”という命令を強制させられてしまった不遇の元人類種王女・ステファニーの弄られっぷりが正直たまりませんもっとあの娘辱めて!!ください!!!ただし健全の範囲で!(※ただしボーダーラインはToLOVEるやチャンピオンREDいちごである)
 人間の存亡を賭けた国取りゲームですら碁盤の事のように弄ぶ2人の無茶苦茶さと、それとは対象的に報われない天才を捨て置けない真摯な想いがたまりません。

湊 ようこ「氷雪王の求婚 〜春にとけゆくものの名は〜」(⇒感想
あの時ああしていれば、なぜ自分はこの時こうしてしまったのか。彼女の後悔は尽きない。それは私も同じだ。
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 恋人と引き裂かれ、皇帝エドリックの元に嫁ぐ事を強いられたアイリス。『氷雪王』との異名を持つエドリックは色々と曰くつきの人だった。妻を妻とも思わない態度に憤っていたアイリスが、少しずつ2人は夫婦らしくなっていく。その先にまつ、悲しい運命も知らずに。
 仲良くなってからはただの夫婦でなく、后妃として時には夫の力となり、2人で新しい国づくりをしようと邁進する2人の姿にときめきがとまらないんだけど、並行して語られる物語のはるか先、未来からの視点が指し示す二人の悲しい結末にゾクゾクさせられる。可愛らしい表紙からは想像も出来ないようなかっちりした中世ファンタジーロマンスで、男性女性問わずにオススメしたい一冊でした。

渡島 健康 「魔王様げ〜む!」(⇒1巻感想 / 2巻感想 / 3巻感想
「さあ、いつも生意気なその口から、今日は違う声色を聞かせてもらおうかな」
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 魔王ディンゴを倒しに行ったら魔法で性転換させられ、魔王直属のメイドにされてしまった勇者レイモンド(メイドとしての名前はレモンちゃん)。世の全ての女性を愛し、メイド全員を平等に愛すると豪語する稀代の女好きっぷりとセクハラだらけの行動に最初は反感ばかり覚えていたが、女としての生活に慣れてくるにつれ案外仲間想いで為政者としても優秀なディンゴに悪い気はしなくなってきて……。
 レーベルごとお亡くなりになって未完のまま終わると思っていたらなんとか3巻が出ました(ただし電子書籍オンリーだ)。メインとしてはディンゴとレモンの関係性を主軸に据えたハーレム内エロコメなんだけど、主人公のレモン(レイモンド)が男としていつか越えるべき相手としてディンゴの背中を追いかけながらも、同時に1人の女としてディンゴに惹かれていくという相反する感情の間で揺れ動く姿が溜まりません。続きが書けなくも無い終わり方だったので、別レーベルに拾い上げとかでもなんでも続きが出てくれないかなあ……

このキャラクターが美味しい!編


竜ノ湖 太郎「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」(⇒1巻感想 / 2巻感想 / 3巻感想 / 4巻感想
「君は、この世界が好きなのか?」「ああ、大好きだぜ。一生涯を腐りながら過ごしてやれる程度にはな」
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 子供達3人は異世界からの「世界の全てを捨てて“箱庭”にこられたし」という招待状を受け、異世界へと召喚される。たどり着いたのは“ギフトゲーム”と呼ばれるゲームの勝敗が全てを決める世界。異世界にあっても特出した能力を持つ“問題児”達は様々な理由から、弱小ギルド“ノーネーム”に力を貸し、魔王を倒す事を決意する。
 チート能力を持った主人公3人が異世界の世界を舞台に所狭しと暴れまわる爽快感がたまらない!3人とも、ただ“問題児”なのではなく、様々な理由から元の世界で本気を出しきれなかったり不幸な境遇にあったり鬱屈を感じたりしており、過去の体験を引き金にした彼ら自身の信念に正直な姿が好感持てる。特に、3人の中でも更に特出した能力を持つ少年・逆廻十六夜の過去から現在に至るまでの物語が最高でした。常に「本気」を出す事を制限され、世界を愛した故に自ら腐って生きる事を決意した少年が自分の本気を存分に出せる世界にやってきて、暴れまわる姿には色々な意味でニヤニヤがとまりません。

大間 九郎「オカルトリック」(⇒1巻感想 / 2巻感想
「玉藻、私と二人で、幸福になろう」
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 狐憑きの少年“玉藻”は超絶美女でちょっと不思議な引きこもり探偵の“ねえさん”に愛されつつ(こきつかわれつつ?)、オカルト探偵の助手をやっている。ある事件をきっかけに、女子力高いテンション高い系メンヘラ・イソラと出会う。3人がそれぞれの愛と幸福を捜し求める物語。
 自ら消えたいと願った少年と、その少年を護ろうと必死になった“狐”の奇妙な物語。過去話から透けて見える玉藻とねえさんの共依存関係がおいしすぎる。あと玉藻の非処女主人公という設定はもうちょっと売り出してもいいとおもいます!!読み終わってみれば愛と幸福を追い求める登場人物たちの熾烈な生き方が焼きつくかのような、不思議な読み味の物語でした。しかし、色々な意味で物語内のインパクト大賞を選ぶなら最強メンヘラ・イソラたん以外になにもない感。

かじい たかし「僕の妹は漢字が読める」(⇒1巻感想 / 2巻感想 / 3巻感想 / 4巻感想 / 5巻感想
妹こそが、文学だ。
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 萌えで支配された23世紀。漢字は退廃し、文字はひらがなだけになり、文学界では実妹派か義妹派かがアツく議論される未来の日本に住んでいるイモセ・ギンは憧れの作家オオダイラ・ガイの家を訪問する。その先で21世紀の日本に飛ばされてしまって!?義妹に実妹、年の離れたロリ妹にロリジジイにおっぱい担当の21世紀ヒロインに囲まれて、23世紀で作家を志す少年が少しずつ成長していく物語。
 1巻の頃は主人公の空気読めない発言にイライラしたこともありましたが、そんなギンが過去の人類や未来の人類をはじめとした様々な思想を持つ人間と出会い、ゆっくりと成長していく課程が大変美味しかった。文字文化が未来に向かうにつれ少しずつ簡略・退化していくさまは微妙にないようにみえてありそうな気もして、SF小説としても大変面白かった。
 しかし、正直一番のみどころはそんなことよりクロハのフトモモだとおもうわけです。私はこれで黒ストに目覚めました!!



「好きなライトノベルを投票しよう!!2012上期」に投票します

企画元:好きなライトノベルを投票しよう!! 2011年下期
今回も参加させていただきます。

新シリーズ

夕鷺 かのう「(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚できたら一攫千金!〜」(感想)
ドSな旦那様(仮)の嫌味にも下女達の嫌がらせにもめげず、雑草根性全開で頑張る男前ヒロイン・フェルが可愛すぎて悶死。お姫様と庶民の入れ替わり者ではあるけど、過去に何度も入れ替わりを経験した関係でただはすっぱな庶民というだけでない、どこか高潔さのある言動・行動が魅力的でした。とりあえず続編読みたいので気になる人は読んで!

【12上期ラノベ投票/9784047281134】
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大間 九郎「オカルトリック」(感想)
ワガママでご無体なニート探偵の「ねえさん」と、彼女の助手にして狐憑きの少年「玉藻」を中心にどこか歪んだ面々が繰り広げるファンキーなオカルト事件簿。ストーカー系押しかけヒロイン・イソラたんの病みっぷりもたまりませんが、ねえさんと玉藻の織り成す共依存関係がとても美味しかったです。

【12上期ラノベ投票/9784796697279】
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大樹 連司「ボンクラーズ、ドントクライ」(感想)
田舎の高校を舞台に、1人の少女と2人の少年が繰り広げるひとときの青春ラブコメ。少しずつ距離を縮めていく3人が、その気持ちが故にすれ違っていく姿がたまらりませんでした。ただの「ヒロイン取り合い」にシフトするのではなく、「恋愛」か「友情」かで思い悩む主人公がどうしようもなく青臭くてどこか微笑ましかったです。青春すばらしいな!!

【12上期ラノベ投票/9784094513165】
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遠藤 浅蜊「魔法少女育成計画」(感想)
ソーシャルゲームによって集められた16人の「魔法少女」達がいやおう無しに巻き込まれる、リアルバトルロワイヤルの物語。とにかく次々に追加設定されていく『ルール』の数々がどれもこれも悪趣味で絶望感がやばいんですが、一番悪趣味だったのはやはりゲームの隅々にまで溢れわたるゲーム主催側の『悪意』だったのではないかと。

【12上期ラノベ投票/9784796680394】
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海冬 レイジ「も女会の不適切な日常1」(感想)
男子1人×女子いっぱいのハーレム構図な駄弁りing部活ラノベだとおもってたらまさかの○○事件に、まさかの■■■展開だった。日常系ぐだぐだラノベから本性を現してからの展開がすごい。

【12上期ラノベ投票/9784047279278】
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既存シリーズ

三輪 清宗「STEINS;GATE3 境界面上のシュタインズ・ゲート:Rebirth」(感想)
牧瀬紅莉栖の視点から事件を追うシュタゲノベライズ最終巻。もうとにかくツンを装いつつ内心デレデレの助手の語りが面白すぎるんだけど、この最終巻はα世界線で彼女がたどり着いた真実や、β世界線→シュタインズゲートに至るまでの道のりを、物語の裏から思わぬ形で補完していて本当に面白かった。あとほんとに助手の岡部デレがやばい。

【12上期ラノベ投票/9784041001431】
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かじい たかし「僕の妹は漢字が読める4」(感想)
一部で話題になったオオダイラ文体とか萌えに支配された未来のいろんなネタで頻繁に笑わされつつ近未来系SFとしても普通に面白いから困る。萌えに支配された23世紀も相当アレですが、38世紀完璧にディストピアってるじゃないですかーー!しかし、そんなことはとりあえず置いておいて圧倒的にクロハが可愛い。他にも一応ヒロイン居るけどクロハが圧倒的なヒロイン力を発揮していてやばい。妹属性に目覚めそうなくらいクロハが可愛い。

【12上期ラノベ投票/9784798603964】
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和ヶ原 聡司「はたらく魔王さま!5」(感想)
日本を舞台に天界魔界異世界のごたごたが本格化して、巻を追うごとにシリアス度の上がってきた本作ですが、それでもなんだかんだできっちりと織り込まれる労働(5巻は消費者)ネタが楽しい。あと、巻を経るごとに残念な人が増えていく気がするのは気のせいでしょうか(特に天使側…)。とりあえずニート堕天使・漆原と一般人代表ヒロイン・千穂ちゃんが可愛すぎて生きるのがつらいです。

【12上期ラノベ投票/9784048866545】
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竜ノ湖 太郎「問題児たちが異世界から来るそうですよ? 十三番目の太陽を撃て」(感想)
異世界に召喚されたチート異能力持ちの3人が、異世界を舞台に暴れまわるシリーズ。少しずつ主人公たちと異世界の相関関係も見えてきて、全員が力を合わせて闘う展開が物凄くアツかった!やりたい放題と思わせておいて実は物凄く仲間思いな彼らの絆が少しずつ強くなっていくのも楽しかったです。

【12上期ラノベ投票/9784041001820】
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葵せきな「生徒会の十代 碧陽学園生徒会議事録10」(感想)
最高のハーレムエンドをありがとうございました。杉崎がこれまで色々と抱え込んできたものが、がむしゃらに突っ走ってきた全ての行動があの一言で全て報われたとおもうんだ。

【12上期ラノベ投票/9784829137192】
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読了記録まとめ[2012年5月分]

5月の読了数は感想書いてない再読本2冊を含め21冊でした。
……うち12冊がBL……もう何のブログだかわからない……ラノベの感想を求めてうちに来てくださってる方にはほんとうにすいませんでも自重しない。

今月のオススメマンガ

プラナス・ガール(5) (ガンガンコミックスJOKER)
 今更過ぎるくらいの定番だけど「プラナス・ガール」最新刊が絆可愛すぎて死んだ。「魔法のアメ」からはじまってまさかのメイド祭に転がり、ウェディングドレスに飛び跳ねるよ。「男の娘」という単語はあまり好きじゃないけど、こればかりは至高の男の娘モノとして全力で押したい。絆かわいい。
月刊少女野崎くん(1) (ガンガンコミックスONLINE)
あとなんか色々な人からオススメされて手に取った「月刊少女野崎くん」が猛烈に面白かった!無骨でごつい外見なのに少女漫画家の野崎君に惚れてしまった女の子がなぜかアシスタントにされてしまうお話。少女漫画家なのに恋する乙女の気持ちなど1ミリもわからない野崎君のすっとんだ発言の数々にふきださざるをえない。あとみこりんマジヒロイン。

5月の読書メーター

読んだ本の数:29冊 / 読んだページ数:6193ページ

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読了記録まとめ[2011年3月分]

3月のラノベ読了冊数は19冊でした。久しぶりに読んだ。

「Pandora Hearts」の最新刊が凄すぎて思わず本誌で続き読んだらますますすごかった。アニメしか見てない人も未読の人も今からでいいからぜひとも読んでほしいです面白くなるのがちょっと遅いですが基本的には6巻くらいからが本番だよ!!貼りめぐらされた伏線を丁寧に回収していくのが本当に凄い作品です。

ラノベでは「ムシウタ」の最新刊が本当にすごかった……そしてノベライズだけど「シュタインズゲート」の完結編も本当にすごかった……
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「好きなライトノベルを投票しよう!! 2010年下期」に投票します

いちせさん主催のこちらの企画に参加します。
平和さんが主催されていた「ラノサイ杯」の企画終了を受けて立ちあがった類似企画だそうです。
明日締切なので投票を考えてる人はお早めに!

類似企画としてTwitter主導のラノツイ杯もありますよ!こちらも明日締切です。


今回は余裕ないのでコメント短め……orz

既存シリーズ

■ フルメタル・パニック! ずっと、スタンド・バイ・ミー上下(⇒感想
著:賀東招二 挿絵:四季童子

個人的には、2010年はこれ抜きに語るわけには。
最高の完結編でした。とりあえず、読め。

「君さえいれば、武器などいらない」
【10下期ラノベ投票/9784829135532】
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■ 魔王城五限目(⇒感想
著:田口仙年堂 挿絵:鉄雄

こちらも最高の完結編でした。
子供たちを守ろうと立ち上がった心優しき「魔王」の活躍に胸が熱くなる。
あと伯爵マジtndr。

「俺は魔王だ。君を魔王城まで連れ去りに来た」
【10下期ラノベ投票/9784047266544】
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■ Re:3 バカは世界を救えるか?(⇒感想
著:柳実冬貴 挿絵:一葉 モカ

次第に明かされていく熾烈な過去に、臆しつつも立ち向かおうとするバカがかっこいい!
あと光一と「能力泥棒」の好敵手と書いて「とも」と呼ぶライバル関係が最高!!
今最高に続きが楽しみなシリーズです。

(バカになれ。じゃないと世界は救えない)
【10下期ラノベ投票/9784829136003】
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■ GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン3(下)(⇒感想
著:川上稔 挿絵:さとやす(TENKEY)

先を歩む者達が次代を担う若者たちに託した想いが、凄すぎてもう。
ネタにされるほどの超ボリュームすら苦と感じさせない「最初から最後までクライマックス」感。
アニメもとっても楽しみです。

「次に歴史を動かすのは、私達の方よ」
【10下期ラノベ投票/9784048687355】
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■ ココロコネクト カコランダム(⇒感想
著:庵田定夏 挿絵:白身魚

中盤の、事態急変以降の展開の閉塞感が本当に凄かったです。
異能がきっかけで事件が起きて、異能ではないところに収束するのが面白いなあ。
物語の一区切りとなる4巻「ミチランダム」も凄かった。

「たとえそれによって……オレがこの文研部を去ることになったとしても……オレはオレを貫く」
【10下期ラノベ投票/9784047267756】
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■ バカとテストと召喚獣8(⇒感想
著:井上堅二 挿絵:葉賀ユイ

雄二と明久、マジ一心同体。
なにはともあれクライマックス目前のやり取りにつきます。悪友マジ悪友。

「ぬかせ。王様(キング)に協力するのは歩兵(ポーン)の義務だろうが」
【10下期ラノベ投票/9784047267275】
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■ ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc6(⇒感想
著:田尾典丈 挿絵:有河 サトル

全ヒロインを平等に愛そうとする武紀と、一人のヒロインを選んだ「主人公達」が熱い。
シリーズを通して、ラブコメより対峙もの・バトルものとして美味しくなってきた印象が。
電脳系異能バトルが展開される「シルバーバレット」シリーズにも注目です。

「信じるぞ、親友!!」
【10下期ラノベ投票/9784047268197】
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■ ラ・のべつまくなし 3 ブンガクくんと腐埒なるキホーテ (⇒感想
著:壱月龍一 挿絵:裕龍ながれ

ラノベ作家×腐女子の恋愛ラブコメ。
とにかく主人公とヒロインの甘いやりとりがたまりません。今季床掃除部門大賞。
様々な人の「ラノベ」観にも注目。等身大な腐女子像も印象的でした。

『あなたにとって“ライトノベル”とはなんですか? →』
【10下期ラノベ投票/9784094512205】
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新規シリーズ

■ ファンダ・メンダ・マウス(⇒感想
著:大間 九郎 挿絵:ヤスダスズヒト

好き嫌い分かれそうだけど、ツボにハマったら癖になる何か。
読みづらい独特のテンポの文章が心地よく感じられるようになるのが本当に不思議。
『殉教者』マウスと彼に惹かれた人々が繰り広げるお祭り騒ぎに痺れる。

「分かった?これがマウス、私の愛しいマウス。お母様の教えに忠実な狂信者。お母様の教えしか信じず、お母様の教えを守ることにすべてを捧げる原理主義者、狂おしいほど愛おしいお母様の奴隷」「私の愛しい、愛しい、ファンダ・メンダ・マウス」
【10下期ラノベ投票/9784796678865】
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■ アンチ・マジカル?魔法少女禁止法?(⇒感想
著:伊藤ヒロ 挿絵:kashmir

魔法少女アニメで育った世代の懐かしく暖かい何かをぶち壊してくる「アンチ・魔法少女」。
某漫画風にいうとまさしく「夢もキボーもありゃしない」
色々な意味でインパクト抜群な作品でした。まどか☆マギカが好きな人はぜひともこれも読め。

『いいこと、よく憶えておきなさい。人はね??魔法じゃ幸せになれないの』
【10下期ラノベ投票/9784758041683】
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